投稿者: 田中 田, カテゴリ: 写真集
今西家書院(重要文化財)において、〈 笙 - しょう- 田島和枝 〉〈 笛- 雲龍 〉〈 灯り- あだちまり 〉のコラボレーション
による演奏会が行われた。
真っ赤な紅葉が残る庭が徐々に夕闇の中に入る時刻であった。
笙と笛による《 天と地への捧げもの 》~INORI~と題された演奏がはじまった。
笙と笛の音色は天の祈りのように静かに私達の心に入ってくる・・・そして奏者を挟んで置かれた二つの〈ひかり〉は、
庭が夕闇に包まれる頃からしだいに会場全体を覆っていった。
その穏やかなひかりは演奏を聴いて いる人々の心根をも包み込んで、別世界へと誘っていく・・・。
会場の書院には〈 あだちまりの灯り 〉が所々に配置されていて、その一つ一つに心地良い旋律が流れるようだった。
そしてその〈 灯り 〉が放つひかりは、郷愁を感じさせ、心の故郷へと導いてくれた。
●演奏者の写真は、シャッター音が出るために遠慮いたしました。
history~.
遠い昔、眠る時間になると、部屋のペンダントライトから垂れさがっているひもを"カチッ カチッ"と2回程ひっぱった。
いちばん明るい蛍光灯が段階的に暗くなり、最後には、ペンダントの中央より少し離れたところに位置する、ほんの
小さな電球がオレンジ色にもどる・・・。部屋は真っ暗だがそのぼんやりとした"あかり"がついさっきまで遊んでいた
部屋に静寂をもたらし、想像の世界へといざなう・・・。
私はその小さな電球を月にみたて、自分の部屋が、さながら宇宙のように思えてたまらなくうれしかった。
子供の事である・・・。こころの中で起こることになんのルールもない。
私は眠る前、必ずこのオレンジ色の電球をながめながら、今日起こったいろいろな事、また明日起こりえるかも
しれないわくわくする事、(あるいは、子供にとっては重要な)心配事など、あらゆる思いをはせながら、眠りに
ついたものである。
ちいさな"あかり"のもとで現実と想像の世界のあいだを浮遊しながら、ながながと見つめていると、時には、
その"ひかり"に体ごと吸い込まれていくような不思議な感覚さえした・・・。
私はそのペンダントライトのオレンジ色の電球が好きだった。たまらなく好きだった。理由はわからないが、理屈ぬき
にそうなのである。そしてわたしは大人になり、ふと"あかり"をつくりたくなった。それは、目まぐるしく過ぎていく
生活の中で私自身を見つめる時間や、やすらぎを求めていたのだろうか?
現在、自分でつくった"あかり"をベッドの傍らに、なにげに眺める"あかり"から受ける感覚は昔のそれに似ている。
遠く心の奥底に眠っていた子供の頃の記憶が"オレンジ色のひかり"とともに蘇ってきた・・・。
あたたかい"ひかり"に照らされたここちいい空間と時間の中で、時には本の中の物語を照らし、やはり今日
起こった出来事や明日起こる、または、ずっとこの先起こるのではないか?と思う事をとりとめもなく考えながら
"あかり"のもとで今日も私の一日は終わるのである・・・。〈 あだちまり 〉さんの手記より
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投稿者: 田中 田, カテゴリ: 写真集
帯 留
明治に入って生まれた帯留。幕末から昭和初期に女性の髪を飾った、櫛 かんざし等とともに、男性の刀装具や
印籠などに、卓越した技を残した職人たちが、禁刀令が出された明治以降は、その技を、帯留や櫛かんざし作り
にも生かしたと言われています。素材には、金 銀 銅 珊瑚 象牙 水晶 鼈甲 瑪瑙 翡翠 陶器 木 他が
使われています。掌に包み込まれるような小さな世界に繰り広げられる洗練された美しい意匠と職人の技が
息づいています。 解説・村上清子
村上清子さんについて
村上コレクションの「帯留」と「刺繍半襟」の一部をご紹介します。
村上清子さんは、自身の美的センスを 頼りにコレクションを積み上げてこられました。一つ一つの小さな作品に
ついて時代背景や作風など、このブログの中ではとても表しきれない興味深いお話も沢山お持ちです。
ここに一部をご紹介をさせて頂くのですが、同好の方々 との交流が広まり、さらに日本の古美術の再発見に
繋がっていけば望外の喜びであります。
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投稿者: 田中 田, カテゴリ: 写真集
刺繍半襟
刺繍半襟はその小さな空間に繰り広げられる美しい意匠を細やかな日本刺繍で巧みに描ききっています。
日本人の美意識に圧倒されます。襟に沿ってほんの僅かに見えるだけなのに何とも贅を尽くしたものです。
半襟特有の技術として図柄を左右に反転させているものもあります。
刺繍半襟が流行った大正から昭和初期その意匠はどんどん手間隙かけた豪華な物にエスカレートし、
着物よりも高価な物が登場したと云われています。
俳人 河東碧梧桐は「半襟は衣裳より費を惜しまず 掛けしぶらず」と詠んでいます 。
解説・村上清子
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